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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > トキワマンサクLoropetalum chinense(R.Brown)Oliver

トキワマンサク(Loropetalum chinense (R.Brown)Oliver)


さく葉標本全体
和 名 トキワマンサク
学 名 Loropetalum chinense
           (R.Brown) Oliver
資料番号

MPMP 16959

分 類 被子植物
双子葉植物

離弁花
マンサク科
採集日 1951年(昭和26)
採集地 三重県伊勢市
資料形態 さく葉標本

さく葉標本拡大
解 説

トキワマンサクは高さ3~6mになる常緑小高木で、日本では限られた場所にのみ自生する希少な樹木です。世界レベルでの分布は日本のほか、台湾、中国大陸中南部、ヒマラヤ東部から知られていますが、日本国内では現在のところ三重県伊勢市の伊勢神宮の神宮林内のほか、熊本県荒尾市の小岱山(しょうたいさん)、静岡県湖西市神座(かんざ)の3か所の自生地が確認されているのみです。三重県内で唯一の自生地である神宮林は、日本でトキワマンサクがはじめて発見された場所でもあり、周辺一帯が神宮林として保護されているため、開発などの危険にさらされることはありません。しかし、個体数は20株以下で、『三重県レッドデータブック2005』では絶滅危惧1A類に分類されており、最も絶滅の危機に瀕している植物種にあげられています。

マンサク科の代表種でもあるマンサクが落葉樹であることに対して、冬にも葉を落とさない常緑樹であることから「常盤(ときわ)」の名が付けられたとされています。ちなみにマンサクの名は、花が枝いっぱいに咲くことから「満咲く」、花が春先にまず咲くことから「先(ま)ず咲く」などが由来とされています。葉は左右対称とならない特徴的な形状で、葉の基部が左右でずれており、葉の形状も左右で異なります。これはマンサク科の中ではいくつかの種類で見られる特徴です。花は4月~5月にかけて咲き、黄白色で広線形のやや縮れた4枚の花弁をもつ花が数個まとまってつくために、見るものに独特な印象を与えます。花の形状の面白さからか、中国産のトキワマンサクが園芸樹木として庭に植樹されることもあり、特に花の色が紅色になる園芸品種はベニバナトキワマンサクとして知られています。(M)

 

トキワマンサク(旧三重県立博物館植栽)

幹の樹皮は薄く剥がれやすい

葉は左右が非対称な形状となる
  
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